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Review

2016.09−object− 西川 茂 個展

(2016.9.18-10.1 12:00-17:00)  Pastページ>>>>



西川 茂



■展示を終えて
僕と冬耳が初めてギャラリーで展示をしたのが今から16年前、当時大阪市北区の扇町にあったGallery Denであった。当時はまだ学生で美術の世界の右も左もわからぬまま、ただただ始めようという強い思いに突き動かされ、二人でオーナーの手島さんに会いに行った。
それからお互い多くの発表の機会があったのだが、こうして冬耳と個展が相見えることはなかった。
この機会に思い入れがないわけがなく、トークイベントには関東から美術評論家の小金沢君を招くことに決めた。 勝手に秋晴れの空を思い描いていたのだが、会期中はほとんど曇り、さらには台風も来る。
しかしながらたとえ晴れようとも、南山城村に何かのついでに立ち寄る人はいない。ここに来ると決めた人だけが来る。多くの人にとっては不便な場所かもしれないが、気持ちが集まるとても良い場所である。

ここでの展示の話を頂いた時に、この場所で見せたいと思う作品があり、その作品を始まりとして展示構成を決めていった。細やかかもしれないが、多くのチャレンジをした分、実りの多い機会となった。
こうした実りを次へ、またその次へと繰り返し積み重ね、これからも歩んで行きたいと思う。

■西川 茂 展示作品



2016.09−ドアを開けてよ− 冬耳 展

(2016.9.18-10.1 12:00-17:00)  Pastページ>>>>



冬耳



■展示を終えて
今回の展覧会はまず滞在ありきでの工程時間からが視野にありました。近年日本の動植物や自然、それにまつわる伝記や信仰を作品のテーマとして制作を行っています。自然豊かな環境下にある南山城村AIRでの滞在制作はそのような経緯からたいへん貴重な体験であり、述べ日数約4週間、ボクにとっては久しぶりの夏休みのような滞在制作でした。人工音がなく人と話すこともない、孤独だったけど淋しくはなかったです。毎夜星を眺めに散歩に出かけました。またギャラリーが個性的な空間のため、街のホワイトキューブでは行えないちょっと実験的な展覧会にしようと考えました。色々と案はありましたが、全てを詰め込むとびっくり箱みたいになってしまいそうだったため、最終的には1階の「畳の大広間」「土間」「2階」の3つの空間をそれぞれ独立した形で用いることにしました。試作などがあまりできないまま制作に取り掛かったのでいささかの不安はありましたが、いつもより不思議と心は静かだったことを思い出します。穏やかな場所や時間がそうさせてくれたのかもしれません。各セクションは平面作品というよりはインスタレーションに近くそれぞれが特異な表現体形でしたが、全てを見終えてみると一つの世界の切り口に立たされたような感覚を起こしてもらえていれば幸いです。どれぐらいお客さんが来るか不安もある中、この展覧会にここまで労力を注ぎ込んでいいものか常に疑問符は付きまとっていました。ですが結果としてはあの場所でしかできないことを表現できたし、自分にとってもたくさんのことを得られる展覧会となりました。近年でもかなり満足のいくものになったと思います。ただ一つ心残りを挙げるとするならば初日のトークショー。人前で話すことの難しさ、伝えることの難しさ、演出や構成、作り込み過ぎては面白くないけど、無防備過ぎもよくありません。この点に関しては人それぞれ意見はあると思いますが、面白いトークショーとしてはまだまだ至らない点が多かったような気がします。
最後になりましたが、このような機会をくださったオーナーの手島さんとゲスト参加してくれた小金沢くん、今回の制作に大いに協力してくれた父親、そして遠いところを来ていただいたみなさまに感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

■冬耳 展示作品


<OPENING EVENT>

アーティスト・トーク

日   時 : 9月18日(日)
        13:30〜
会   場 : AIR南山城村“青い家”の前庭
ゲ ス ト : 小金沢 智

■オープニングイベント風景

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