Gallery Den mym ギャラリーデン南山城村 Gallery Den mym ギャラリーデン南山城村

Review

2014.11「村の絵。滞在制作を終えて」 松本 侑也 個展

(2014.11.23-12.6 12:00-17:00)  Pastページ>>>>

■展示を終えて
来てくれる人は少ないとわかってはいたものの、やはり少なかったです。絵を発表するには難しい場所です。 それでもはるばる来てくれる人はいて、ありがたい気持ちと大事な縁を感じる二週間でした。
この度の展示は「村の絵」をテーマに、できるだけ村での制作にこだわったり、バスで手持ちの作品を搬入したり、自分なりのやり方でこっそりと村の時間を楽しんできました。 誤解のある表現かもしれませんが今回の展示は本 当に自己満足だったと思います。 たまにはこんなのもありかなーと思いますが、逆にちゃんとした絵とはなんなのかを一応考えます。 常に表現することは矛盾だらけだなーとも感じます。 そんな秋休みでした。

■展示作品


2014.11「remote」 井川 優子 個展

(2014.11.23-12.6 12:00-17:00)   Pastページ>>>>

■展示を終えて
 これまでも地図を扱って作品をつくってきましたが、表したいことを実現させるために(どこかの地域の)地図を選ぶという行程をとってきました。今回初めて、特定の地域の地図を使うという前提のもと、作品制作を行いました。近年は、海と陸の境界線である海岸線部分を千切って直線や円に構成しなおすという作品を主に発表してきましたが、今回使う地図は南山城村という辺境の地の地図で海岸線はありません。どのような作品になるのか私にとって新たな挑戦となる展覧会でしたが、実際に訪れ、長い時間睨み続けた南山城村の地図からは、これまでの「地図の抽象化」という概念はそのままに、全く新しい展開で作品を発表することができ、大きな収穫になりました。都会のギャラリーとは違い、全体として来場者の数は多いとは言い難いものがありましたが、その中でも今後の制作のヒントとなるようなお話や言葉を多くいただけたのも、ありがたかったです。「何を見せるのかではなく、何を見せないのかなんだね。」今回ある方にいただいた言葉ですが、私自身がはっとさせられました。また、今回のイベントで久しぶりに日の目を見た、虫眼鏡のシリーズの作品についても、今回発表した一連の作品から辿って新たな解釈を与えてくださった方もいて、私自身が作品を見直す良い機会となりました。

■展示作品


<Opening Ceremony>

松本侑也によるライブペインティング

日   時 : 11月23日(日) 14:30~
会   場 : Gallery Den mym本館の前庭


■オープニングイベントを振り返って




オープニングではライブペインティングを行いました。 最初は時間になっても人が集まらなくて大学時代の友達と二人でのらりくらりと筆を走らせました。 特に描きたいものを決めていたわけでもなく、目に映った風景をとりあえず画用紙に写していきました。 するとそこに数組の親子づれの家族がやってきて、あっという間に筆は子供たちの手に渡っていきました。 出来上がった絵は、傾いた建物と女の子と、葉っぱのスタッピングとハチでした。ただ画用紙を真っ黒にすることに燃えていた男の子もいました。
素敵な時間でした。片づけもみんなでがんばれました。



太陽光を集めてむら地図辿り!

日   時 : 11月23日(日)-24(祝)、11月29日(土)-30(日)、
        12月6日(土)の晴天時 初日/12:30~
会   場 : AIR南山城村“青い家”の前庭


■オープニングイベントを振り返って







今回、会期を通したイベントとして、7年ほど前まで展開していた「虫眼鏡のレンズで太陽光を集めその焼跡によって等高線を点で辿る」という作品の制作過程を来場者の方に体験していただきました。世界をよく知るためには、まずは自分が定点となり留まってみることが必要だと考えますが、日々の生活でそのような機会を得ることはとても難しく感じます。今回のイベントが、なるべく普段私が行っている実際の作品制作に近い状態――とても個人的でゆったりとした時間になるよう願っていましたが、皆さん忙しい中にも関わらず、長い時間、没頭して作業していただけたようで良かったです。また私自身も青い家での滞在を通して、茶畑と山に囲まれた青い家に太陽が差す短い時間と、漆黒の闇とのコントラストに、生活そのものが太陽とともにあることを改めて感じることのできた貴重な時間となりました。


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